ドメスティック・バイオレンス

ドメスティック・バイオレンス(DV, Häusliche Gewalt)は禁止されており、刑法によって罰せられます。ドメスティック・バイオレンスの被害にあったときは助けを求めることが大切です。情報提供や助言、支援を行っている窓口は種々あります。相談は通常、秘密厳守で無料で行われています。必要に応じて、通訳を頼むこともできます。

緊急時

緊急時の支援については、こちらの詳細情報をご覧ください。

ドメスティック・バイオレンスとは?

ドメスティック・バイオレンス(DV, Häusliche Gewalt)とは、家族`やパートナー間の暴力を指します。つまり、配偶者、交際相手、元交際相手との間の暴力です。同居しているかどうかは関係ありません。また、親子間や兄弟姉妹間の暴力もDVです。

DVには、身体的、心理的、性的、経済的な暴力など、さまざまな形態があります。例えば、絶えず侮辱する、他人との接触を禁じる、監禁する、突き飛ばしたり蹴ったりする、操る、性行為を強要する、金銭を取り上げる、言語を学ぶことを禁じる、子どもをおざなりにするなどのほか、脅迫もDVです。DVは禁止されています。

老若男女、スイスのパスポートを持つ人も持たない人も、裕福な家庭も貧しい家庭も、すべての人がDVの被害者となる可能性があります。DVの被害者は助けを求めることが大切です。

被害者相談窓口

秘密厳守、必要に応じて通訳を付けることもできます。

DV加害者の方の支援

DV対策学習プログラムでは、参加者は暴力によらず争いに対処する方法を学ぶことができます。このプログラムは成人向けで、無料で行われています。

すぐに誰かに相談したい場合は、ダーゲボーテネ ハント(Dargebotene Hand)に連絡(電話、テキストメッセージ、チャット、Eメール)できます。夜間を含め、常時対応する人がいます。匿名でも連絡できます。

子ども

家庭で暴力を受けている子どもは、助けを必要としています。子どもがDVを経験すると、成長に悪影響を及ぼします。また、暴力が直接子どもに向けられていない場合も同様です。DVを受けている子どもは、教師、学校のソーシャルワーカー、両親の友人、隣人など、家族以外の人に相談することが大切です。

人知れず苦しんでいる子どももいれば、学校で問題を起こしたり、おねしょや頭痛、摂食・睡眠障害、他の子どもとうまく付き合えない、攻撃的といった症状を示す子どももいます。

オプファーヒルフェ(Opferhilfe)では、DVを受けた子どもに助言をしています。また、青少年は昼夜を問わず、プロ ユーヴェントゥーテ(Pro Juventute)に電話(147)やSMS、チャット、Eメールで相談することもできます。専門家が相談内容を口外することはありません。耳を傾け、解決策を探る手助けをします。通話は無料、匿名でも相談できます。

性暴力

性的暴行は、パートナーや家族間でも起こります。性暴力はDVの一種で、訴えを起こさない場合でも、警察に通報できます。暴行を受けたら、医師の診断を受けることが重要です。

バーゼルラント州立病院(Kantonsspital Baselland)では、守秘義務を守り処置を行います。

  • 医師は誰にも話しません。
  • 暴力は記録されます。
  • 書類は後で警察に提出できます。これは重要な証拠となります。
  • 医師はオプファーヒルフェ(Opferhilfe)と連携できます。

暴行後から診察までの間に

  • シャワーを浴びたり、体(手も)を洗ったりしないでください。
  • 可能であれば、トイレに行かないでください。
  • 衣服は洗わず、診察に持参してください。

警察への訴え
DVの中には自動的に警察が捜査を開始する犯罪がいくつかあります。そのため、警察に訴える前に、ぜひオプファーヒルフェ(Opferhilfe)に相談してください。そうすれば、よく考え、どんな方法があるかを知ったうえで、どうするかを決めることができます。警察は、性暴力の訴えについて経験があります。事情聴取は同性の担当者が行います。訴えは警察署に提出できます。信頼できる人やオプファーヒルフェの専門家を同行することもできます。

居住権

結婚を理由にスイスに滞在している方がDVを受けた場合、状況に応じて、別居後もスイスに留まることができます。状況はそれぞれ異なるため、アドバイスを受けることが重要です。オプファーヒルフェ(Opferhilfe)が支援を行っており、相談は無料で秘密厳守です。

けがの写真、WhatsAppやFacebookなどでの脅迫や侮辱のスクリーンショットなど、暴力の証拠があることが重要です。なお、証拠品は友人宅や職場などの安全な場所に保管してください。また、その暴力を知っている人が周囲にいる方が良いです。

ストーカー行為(Stalking)とは?

ストーカー行為とは、ストーカーされる人の意思に反する過度の監視、接触、尾行、嫌がらせを指します。例えば、大量のSMSやEメール、その他のメッセージを送信する、職場や自宅で待ち伏せする、迷惑電話、迷惑なプレゼント、相手の周囲を詮索するなどです。加害者は多くの場合、周囲の人(元パートナー)ですが、見知らぬ人であることもあります。

ストーカー行為を証明できることが重要です。例えば、個々のストーカー行為(プレゼント、メモ、電話など)を日記に残す、周囲に知らせる、メッセージ(WhatsApp、Facebookなど)のスクリーンショット/写真を撮るなどです。

強制結婚とは?

家族からの圧力で、自分の意思に反して結婚することを強制結婚(Zwangsheirat)と言います。このような婚姻関係は無効とされる場合があります。また、結婚するか別れるかは自由です。当事者が、本人の意思に反して結婚生活を続けることは、強制的な婚姻関係です。強制の例は、脅迫、恐喝、心理的圧力または身体的暴力などです。スイスでは、強制結婚や強制的な婚姻関係は禁止されています。

女子割礼とは?

女性の割礼(Mädchensbeschneidung FGM/FGC)では、女性器を切除します。これには、さまざまな形態と慣行があります。割礼された少女や女性の多くは、割礼により健康上および精神上の苦痛を感じています。女子割礼は禁止されています。また、スイス国外で割礼を行った場合、親は訴追の対象となる可能性があります。